ホットメルトラベラーは、現代の包装生産において重要な役割を果たしています。その高効率、安定性、環境負荷の低減、コストパフォーマンスの高さにより、多くのメーカーに選ばれる設備となっています。本記事では、ホットメルトラベラーのうち、直線式とロータリー式(ターレット式)の2種類について、それぞれの動作原理、メリット・デメリットを解説し、選定のポイントを提供します。
ホットメルトラベラー
ラベルと容器
ラベル
仕様:ロール状ラベル(内径6インチ、最大外径Ø500mm)
ラベル材質:OPP、BOPP
厚さ:20~60μm
ラベルサイズ:長さ165mm~325mm、幅30mm~200mm
ギャップ検出:光電センサーによる空白間隔5mm
容器
対象ボトル:円形ボトル(直径Ø50mm~150mm、高さ30mm~320mm)
材質:プラスチック(PET、HDPE、PP、PVC)、ガラス、金属
ラベル貼付位置:ボトル底部から10mm~165mm
ホットメルト接着剤(ホットメルトグルー)
飲料用途別の接着剤特性
ミネラルウォーター・茶飲料(非炭酸飲料):充填後にラベリング。ボトル重量がラベリングの仕上がりに影響。低臭、低粘度、低温塗布可能、リワーク性が高く、高速自動ラインに適応。
炭酸飲料・ソーダ(炭酸飲料):ラベリング後に充填。炭酸ガスの影響でボトルが膨張し、ラベルの位置ズレが発生する可能性あり。適切な接着剤の選定が重要。
乳製品:低粘度、低温塗布可能、リワーク性が高い。耐寒性に優れ、冷蔵保存でもラベル剥がれを防止。常温乳製品および冷蔵乳製品に適応。
ホットメルトラベラーの基本動作原理
ホットメルトの加熱と供給
加熱プロセス
ホットメルトブロックをタンクに投入し、均一加熱システムで120~160°Cに加熱。
メーカーごとに推奨温度が異なるため、温度管理が重要。温度が低すぎると接着性が不足し、高すぎるとカーボン化や粘度低下のリスクがある。
供給システム
加熱された接着剤は、ポンプまたはシリンダーにより供給ラインへ送られ、適正な圧力と温度で塗布システムに供給される。
温度制御と流量調整を行い、安定した接着剤供給を確保。
ラベル搬送とカット
ラベル搬送
オートフィーダーがロール状ラベルを送り出し、テンションコントロールと位置補正装置を備えて精度を確保。
ラベルカット
送り出されたラベルは回転刃などで設定された長さにカットされ、カラーセンサーによりマークを検出し、精密なカット位置を決定。
真空ドラム搬送システム
真空搬送
カットされたラベルは真空ドラムに吸着され、固定状態で搬送。
ラベルの両端(約10mm幅)に接着剤を塗布し、強固な貼付を実現。
ホットメルト塗布システム
塗布プレート
接着剤は塗布プレートに供給され、溝やノズル構造により均一に分配。
スクレーパー
余分な接着剤を除去し、塗布量を一定に保つことでラベルの仕上がりを安定させる。
直線式 vs. ロータリー式(ターレット式)ホットメルトラベラー
直線式ホットメルトラ
ベラー
動作原理
ボトルは直線コンベアで搬送され、順次ラベリングプロセスを経る。
ラベルカット、接着剤塗布後、ボトルと摩擦圧着しながら貼付。
メリット
✅ 省スペース設計:工場内の占有面積が小さい
✅ 構造がシンプル:ギア・ベルト・チェーン駆動が主体でメンテナンスが容易
✅ 初期投資が安価
デメリット
❌ メンテナンスとフォーマット変更が困難
❌ 適用範囲が限定的(円形ボトル向け)
❌ 貼付精度が低い(ボトル摩擦による回転方式のため)
❌ 生産速度に制約がある
ロータリー式(ターレット式)ホットメルトラ
ベラー
動作原理
スクリューシステムでボトルを分離し、星形ホイール(インフィード・アウトフィード)でターレットに搬送。
ターレットシステム
公転:ターレット全体が回転し、各ステーションでラベリングを実施。
自転:ボトル自身も回転し、ラベルを均一に密着させる。
メリット
✅ 多様なボトル形状に対応(円形、角型、多角形)
✅ 高精度なラベリング(上部固定でボトルがブレない)
✅ 高速生産が可能(直線式より高速)
✅ 貼付安定性が高い(充填後のボトル状態を模擬できるエアシステム搭載可)
デメリット
❌ 設備サイズが大きい(工場レイアウト要件が厳しい)
❌ 複雑な構造(多軸制御のため調整・保守が高度)
❌ 初期投資が高額(高精度制御システムが必要)
結論
直線式:コスト・省スペースで優れるが、精度・速度に制限ありロータリー式:精度・速度・安定性に優れ、多様なボトルに対応
市場の高品質・高生産性要求に対応するため、弊社はロータリー式ホットメルトラベラーを推奨 します。詳細はお気軽にお問い合わせください!